1 ページ1
・
今日も今日とて学園内は色んな人で賑わっている。
ここは『聖リベルテ学園』、様々な貴族が通う学び舎であり庶民からすると憧れの場所。
貴族という肩書きさえあれば上流貴族から落ちこぼれ貴族まで誰でも通えるという学園であり、規則としてこの学園内ではどの人間もみんな等しく平等を掲げている。つまり上流階級と下級貴族の人間が仲良く隣を歩いてお話ができるというなんともまぁ涙ぐましい平和な学園である。
まぁ貴族しか入学できないという点においてまだまだ等しく平等を掲げるのは無理そうなのだが。
生憎私は威張れる上流でもなければペコペコと顔色を伺わなければいけない下級でもない中途半端な家の一人娘なので波風立てることなく学園生活を送っている。
今日も1人、テーブル席へと腰をかけて食後のコーヒーを口に運ぶ。程よい酸味がすーっと鼻を通り抜ける。吹き抜けから見ることが出来る食堂に目を配ればザワザワと騒がしくて、あぁまたか、なんて食後にしようとしていた課題を机の端へとよせ騒がしい声に聞き耳を立てる。
｢ひ、ひどいです！こんなことするなんて！｣
｢あら、勝手に転けたのはあなたではなくって？｣
｢ど、どんくさいって言うんですか……？ ひどい、私はただ仲良くなりなかっただけなのに｣
｢その被害者ズラするところ、とっても見苦しいわ｣
｢ちょ、おふたりともちょっと落ち着きぃや、な？｣
｢そうそう、リエちゃんもコケてたら埃ついてまうから一回立ちあがろ？｣
｢鬱さん……、ありがとうございます｣
｢ロボロ様、ですがあの娘は教養がなってなさすぎますわ。一度教育なさるべきよ｣
｢ひ、ひどい！｣
｢あーーもう、収集つかんわ！なんでグルッペンおらんねん！｣
これこそが食堂名物、女の修羅場である。まぁこの二人は食堂に限らず教室や屋上など色んなところでバチバチと言い争っているが。
この学園での権力者と言えば誰か、と問われた時普通の学園であれば理事長、学校長と答えるのが普通だ。しかしこの国は上下社会が基本、言ってしまえば家柄が最重要なのである。
そして、この社会での権力者と言えば誰か、そうフューラー家である。いわば王族というもの。もうお分かりだろうか。この学園に入学してきたグルッペン・フューラーが率いる生徒会、それがこの学園の統治を行っている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1631人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もとろん(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます。書き手が欲しい言葉を1から100まで揃えてありがとうございます。待ってくださる方がいるだけで励みになります！これからものんびりと創作活動に付き合っていただけますと幸いです。 (1月16日 0時) (
レス) id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
もとろん(プロフ) - ロリコン女さん» 最高と言っていただけて感謝感激です。のんびりではありますが更新していきますので気軽にお待ちいただけると嬉しいです！ (1月16日 0時) (レス) @page28 id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - 初コメ失礼します。つい最近この作品に辿り着いた者なんですが、文章が綺麗で凄く読みやすく、面白くてあっという間に最新話まで読み切ってしまいました。お話が更新される度歓喜で舞い上がっています！ 作者様のペースで更新頑張って下さい。応援しています。 (1月8日 17時) (レス) id: efc02aac0e (このIDを非表示/違反報告)
ロリコン女 - 最高です。もう、好きです。逆ハー大好きなので逆ハーと見た瞬間とっても嬉しかったです。更新頑張ってください！！！ (1月8日 8時) (レス) id: 6f972d6ac3 (このIDを非表示/違反報告)
もとろん(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» 私も大好物なのでとても気持ちがよく分かります。作品の展開的に登場させるのは遅くなってしまいますが全員かくつもりなので気長に待っていただけると幸いです (1月7日 23時) (レス) id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もとろん | 作成日時：2023年9月28日 15時
