【d!】心まで、透明化してよ (ページ17)

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17話・zm(夢絵有り) ページ17

Aの部屋

「……」

コンコン

「…はい」

「…」

部屋に入ってこない訪問者
痺れを切らした目は、
扉の前でドアスコープを覗く

がしかし、誰もいない

悪戯だろうか

「…え、なにこれ」

扉を開けたと同時におちた
パンパンのレジ袋
中身は…パンとかおにぎりとか
食べ物だ

「…」

毒が入ってる可能性だって
十二分にあるのに、無意識に
手を伸ばした

壊れた部屋の中で、見られているのに
袋から取り出して

1口ほお張る

美味しかった。久しぶりに無毒だった
甘かった。

「ｯ………」

思わず涙かこぼれ落ちそうになる
こんなに美味しかったっけ

「ごほっ！ごほっ」

パンを無理やり詰め込んだら
むせてしまった。

「…」

──
監視室

rbr「…パンくらいで、泣かんといてや」

まともな飯にありつけない無能は
パン如きでうんうん泣き出す

まるで俺らが悪いみたいやん

悪いのは、あんなことをしたお前なのに

rbr「…んでも、飯に毒入れるのはやりすぎなんちやう」

天の声は、全部知ってんで、ちる

───

廊下

zm「うわっ、…無能が廊下歩くな」
「いっ」

食べ終わって油断した体は
戒めとして血が流れ出した
腹部を抑えても、痛みは変わらない

zm「……無能なんか、出ていけ」

zm「あ、コネシマ〜！飯いこうや！」
kn「は？お前さっき食うたやん」
zm「腹減ったねん！」

「…」

──
ゾムの部屋

zm「…」

無能の血が着いたナイフは
どれだけ拭いても綺麗になった気がせん

無能の怨念がこびり付いてるんか？

zm「…」

A。

なんで無能になったんやろ
あんな事ゆったんやろ

この状況になったのは
あいつのせいやあいつが悪いんや

zm「でも、…」

Aのこと、好きやったんやで…

zm「ｯ！」

ドアノブにビニール袋の音がする
部屋に入ってくる……

訳ではなく音は1度きりで
そいつは立ち去っていった

暫く構えたあと、慎重に扉を開ければ

zm「…パン…」

日持ちできるパンやお菓子が
入っていた。市販のパンで
感触的に毒は入ってへん

また《透明人間》か

zm「…」

───
Tnの絵

rpがAを助けたところ

差分